【出産体験談】精神論でいなされつつ頑張った陣痛

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2012年に第一子の男の子を出産したH.T.さんの出産体験記です。

順調な滑り出し

予定日を4日過ぎた夜。夕食を済ませ夫とテレビを見て笑っていたら、コンスタントに下腹部痛が。間隔を計ったらすでに7分だったので病院に電話したところ、「お腹の痛みはどれくらいですか?あぁ、重い生理痛くらいだったらまだですね。様子みましょう」とのことだったのでとりあえず待機していました。 1時間ほど過ぎ、辛いレベルの波が来たので夫とタクシーに乗り込み病院へ。乗車中何となく痛みも遠のいていき、帰らされちゃうかしら?と不安になるも、内診の結果大量のおしるしと子宮口の開きにより入院決定!立ち会い出産断固拒否の夫は帰宅し、私は陣痛室へ。午前1時でしたが全く眠くありませんでした。

すごく気持ちいい入浴と、その後のビックリ激痛

5分間隔で陣痛は来るものの深く呼吸すれば我慢出来るレベルだったので、陣痛促進の為というよりは気分転換の為お風呂へ。入浴中は気持ち良くてウトウトしていたのに、出て身体を拭いていたら急に腰を思いっきり鉄の棒でガンガンぶん殴られてるような激痛が!歩けなくなり、助産師さんに抱えられながら陣痛室へ戻りました。助産師さんに「お風呂に入ってリラックスしたから、赤ちゃん下がってきたんですね〜。偉い、よく頑張りました。」と褒められ、腰をさすられたりお尻を押したり、呼吸法もずっと助産師さんに誘導されなんとか耐えるもののしだいに強くなっていく痛み。その後10時間経った頃には身体の痙攣が止まらず汗と涙でベッドシーツまでビショビショになり、水も受け付けず呼吸を整える余裕すらなく、出るのは呻き声だけ。

「無理!麻酔するか切るかして欲しい!!」と申し出ると、「辛いのはお母さんだけじゃないのよ!!赤ちゃんも頑張ってるんだから負けないで!!」とベテラン助産師さんに精神論でいなされるも、結局NSTで赤ちゃんの心拍が下がってきている事が判明し麻酔を打つ事に。もうその頃には痛みで大暴れしている私。

感動の対面、ではありますが

ギャーギャー騒ぐ私を助産師さん2人が押さえつけ、背中から麻酔を打つという地獄絵図。当時私の陣痛室には助産師さん2人、産科と麻酔科の医師、そしてなぜかシスターと大所帯。忙しい病院なのに本当すいませんと申し訳ない気持ちになったのを覚えています。麻酔を打つとみるみるうちに効いて楽になり、陣痛促進剤を打ち分娩台へ移動。自分では陣痛の波がわからないので、助産師さんが子宮を押しながらいきみを誘導してくださったのですが、子宮口全開になっても出てこないので会陰切開と吸引でやっと産まれました。

出産後すぐに私の胸に抱かれた我が子。 感動の対面をし、あまりの愛おしさに疲れや痛みが吹っ飛ぶはずが、 「わかった、わかったからもう降ろして、、重いよー。。」と泣いていました。

通常であれば産後3時間で母子同室スタートなのですが、 私の熱が40度近く出たのと膀胱がストレスで機能を忘れてしまったので、私は要介護部屋へ、赤ちゃんは新生児室と別々に。しかしながら授乳はしなきゃいけないので、3時間ごとに新生児室へ通ったものの母乳がなかなか出ず悩み、なんて足らない身体なんだとまた泣いていました。

産後1ヶ月は寝たきり大人オムツ生活で赤ちゃんも抱けずに辛い毎日でしたが、3ヶ月程経った頃には家事をしたり赤ちゃんのお世話も出来るようになり、通常の生活に戻りました。本当に長かった。

子どもを産んでみて

子どもを産んで一番変わった事は、幼児虐待に対する考え方です。以前はそういったニュースを見るたび、「ひどい親がいるもんだ」と軽蔑していましたが、子どもを虐待せずにいられる自分は恵まれた環境にいるからで、加害者の立場にいたらどうなるかわからない。事情を知らずに責める自分こそ加害者だと思うようになりました。 妊娠、出産、育児を通じてたくさんの学びや感動を与えてくれる我が子には本当に感謝です。