【出産体験談】「もうやめます!」つい出てしまった一言

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2009年に第一子の男の子を出産したY.K.さんの体験談です。

美容室を予約した日に破水

私は当時、足立区に住んでいました。両親が練馬なので、予定日の2週間前に近距離里帰り(?)しました。検診で、「子宮口がまだ全然開いてない」と言われたので、まだまだなんだな〜とのんびり。夜中までDSでゲームしたり、自堕落な生活を送っていました…(よい妊婦さんは、絶対真似しないでください!) 「産んだらしばらく行けないから、短くしておこう!」 と美容院を予約していたその朝…… 「ん? お、おねしょ……!?」 目が覚めたら、おまたのところがじんわり濡れていて、ビックリ! ニオイを確かめて(笑)、これはいわゆる「破水」というヤツかも!? と、慌てて病院へ連絡。即入院となりました。里帰りしてから、たった3日でした。

陣痛中に思わず「もうやめます!」

でも入院しても、これまたのんびり。陣痛が来ず、美容院にキャンセルの電話をかけたり、DSをやったり(懲りない…)。「24時間すぎて陣痛がなかったら、促進剤」と言われていたのですが、夜中12時を過ぎたころから、軽い陣痛が……。  家に戻ったばかりのダンナを呼び出し(ダンナ、ごめん…)、ダンナが駆けつける2〜3時間は、一人なので余計長く感じました。

ダンナが来てからは、ず———っと親指で腰を押してもらっていました。もともと腰が悪かったのですが、とにかく腰が痛くて痛くて、『シティハンター』の100tハンマーで、腰を砕かれるような激痛(たとえが古い)。押してもらってる間だけ少し楽になるので、ダンナがウトウト眠りそうになっても叩き起こし、ひたすら押してもらっていました。出産体験マンガを読んで、ゴルフボールを用意していたのですが、最初にワタワタしてるうちに、どこかに転がってなくなってしまい。ちなみに、リラックスできるようにと用意してたMP3も、存在を忘れたうえ、あとから確認したら、電池がなかったという…。

ダンナ(の親指)以外に、救いの神様が、助産師さんでした。とても優しい方で、「叫びたかったら叫んだほうが、お産は進むのよ」という優しさに甘え、波が来るたびに、「いやだー! もうやめます、本当にやめます!! 痛い痛い痛い!!!」と、ワガママいっぱい叫びまくってしまいました。  少しでも楽になるよう、足湯などもやってくれましたが…翌朝の検診で、「こんなに頑張ったんだからあともう少しのハズだ」と思っていたら、子宮口はまだたったの2cm!その時の絶望といったら……! 自分のカタいカラダ、お散歩をさぼってゲームでダラダラしていた自分を呪いつつ、終わりの見えない戦いを続けました。しかし昼過ぎ、「まだまだ」と言われていたのに、8cmまでぎゅぎゅっと追い上げを見せ。本当はまだだけど、とにかく次のステップに進みたくて、分娩室へ連れて行ってもらいました。

ブルン!と出てきた感覚

ありがちだそうですが、そこでまた陣痛が少し遠のいてしまい。ダンナに寄り掛かったり、肩を貸してもらったり、いろいろな姿勢を試してみました。ダンナはビデオを撮る余裕も何もなく、まさに夫婦二人三脚で乗り切った感じでした(おかげで、出産直後の写真が少ない!)。そして最後の波が…私の場合、陣痛の腰のほうがツラかったので、分娩の痛さは全然苦じゃなく。最後は思い切り、勢いよく!! 「ぶるん」と出て行ったのがわかりました。勢いがよすぎて、先生が焦っていました(笑)。その瞬間は、ただひたすら、「お、終わったぁ…」という達成感? 脱力感? でした。

会陰切開をしないよう頼んでいたので、私のおまたの前で、先生と助産師さんが、「会陰切開をしたら裂けなかったのに(縫いづらかったらしい)」「でも患者さんの希望に沿えたんだからいいじゃないですか」と、口論してたのがおかしかったです(笑)。  胎盤のぶにんぶにんした感触も忘れられません。初めて、カンガルーケアで、我が子におっぱいをあげたことも……。「かわいい」というより、不思議な充足感で満たされました。

夕方のお産で、その日はゆっくり休めとのことで、赤ちゃんと離れて寝たのですが、夜中に不安になって会いに行ったところ、「今日は休みなさい」と言われました。その時は、「一日も長く一緒にいたいのに!」と思ったけど……4歳に成長した今は、幼稚園に行ってくれる数時間が、ひと時の安らぎだったりします(笑)。残念なのは、助産師さんがすぐ帰ってしまって、挨拶できなかったこと。その後お会いする機会はないですが、今でも心から感謝しています。助産師って、素晴らしい職業ですね!