【出産体験談】VBACという選択

個人病院|自然分娩|2人目|男の子|立ち会い無


2013年に第二子の男の子をVBACで出産したR.K.さんの体験談です。

病院さがし ~次こそ自然分娩!~

最後の最後で帝王切開になってしまった1人目の出産。残念ながら「無事に生まれてくれた」ことより、「自然分娩できなかった」マイナスの気持ちを引きずっていました。なので、2人目の妊娠が分かった時、まず思ったのは「今度こそ下から生みたい!」

しかし、1人目が手術なら2人目も手術となるのが主流。帝王切開後の自然分娩(これをブイバックVBACという)を受け入れてくれる病院を探し、いくつか大学病院などを回りました。ネットの口コミを見て行ったものの、実際に話を聞いてみると、結局どこもやはり手術という話。母体側のリスクとしては、促進剤の投与が難しく子宮破裂の可能性があること、そして病院側のリスクとしては、万一のことがあったときの訴訟問題など諸々の理由から、VBACを受け入れる病院はやはり少ないよう。

目ぼしい病院を当たり終え諦めかけていたとき、近くに住む親戚から、自然分娩を推奨している個人病院を教えてもらいました。あまり聞かない病院だったので、半信半疑で行ってみると…!あっさり「大丈夫、下から生めると思うよ」中年小太りの先生が、神に見えた瞬間でした。もし最終的にまた帝王切開になったとしても、自然分娩に向かって妊婦生活を始められることが本当に嬉しかった!!

上の子の準備 ~区の制度は使えず~

産後はすぐ自宅に戻ることになっていましたが、パワー漲る2歳児と毎日一日中過ごせる自信もなく、練馬区の「短期特例保育」で日中は保育園に行ってもらおうと考えていました。寂しい思いをさせてしまうかもしれないけれど、お友達と遊んだり皆でご飯を食べたり、楽しい良い経験になると思ったのです。

通園開始希望日の1か月前、電話で申込み。3週間だけの短期間だから入れるのかと思いきや、保育園の定員に空きがないと受け入れてもらえないらしく、2つある近所の保育園はどちらもダメ。紹介されたのは保育ママさんでした。ご近所だし値段も同じだし条件は良かったのですが、預かっている子は他に一人もいないとのこと。家に赤ちゃんが来たと思ったら、自分だけ知らないおばさんの所へ行かされ、一緒に遊べる子どももいないのでは可哀想だよなぁ…と思ってしまい、短期特例制度の利用は断念。結局、産後は、近くに住む義母が毎日、上の子を連れだしてくれることになりました。(義母がいたので、保育ママを断れたのですが。)

出産 ~どっちも大変でどっちも素晴らしい~

37w4dの検診翌日、朝からなんとなくお腹が痛むので横になって過ごしていると、夕方になるにつれ、15分間隔でギューっと生理痛のような痛み。夕飯前に出血。これがいわゆる“前駆陣痛”と“おしるし”だったようですが、なぜか勝手に予定日を過ぎるだろうと思っていた私は、前日の内診の影響だと思っていました。

そのまま15分間隔で痛みの波と闘い、眠れぬ夜が明けたころには、まさか出産?!と、慌てて入院準備と台所の片づけをしました。その後一日かけて15~7分間隔を行ったり来たりし、18時すぎには声を出さないと耐えられないほどの痛みに。VBACなので「お産の進みは、初産の人と同じと考えていいよ」と言われていたため、そこまで焦らず20時すぎに病院へ行きました。吸引と会陰切開で22時前には生まれたので、病院に着いてからはあっという間。主人は上の子を連れて帰らされてしまったので孤独な戦いでしたが、おかげで、余計な心配をせずに出産に臨めました。

念願だった自然分娩。自分の身体から子どもが出てくるその感覚は不思議なものでした。自分の手でへその緒を切って、生まれてすぐの我が子を胸の上に置いて、感動的な出会いを経験できました。無事に自然分娩できて良かった。でも同時に、ずっと消化できずにいた上の子の出産体験が、やっと当たり前に受け止められ、とても愛おしいものに感じられるようになりました。元気に生まれてきてくれたことこそ全て。二人とも、本当にありがとう。そして、自然分娩にこだわる私を、何も言わずに応援してくれた主人に感謝。

ちなみに、自然分娩は産後ラクに違いないという私の期待は裏切られ、筋肉痛であちこち痛むし、もともとの腰痛は産後一週間さらに悪化、治りの悪い会陰切開の傷に1か月近く痛く不快な思いをし…。あぁ、出産って、大変だー!!