【出産体験談】自宅出産【おとうさん編】

自宅出産|自然分娩|2人目|立ち会い有


産前

妻の影響か、元々ナチュラルなお産や自宅出産について、ネガティブなイメージは持っていませんでした。なので「自宅出産したい」と聞かされたときも「したいんなら、いいよ。」と気楽に答えていました。

妻に引っ張られて訪れた「ねりじょはうすLuna」で色々と説明を受けた後も、助産師さんがどういう存在なのか、仕事の内容だとか、自宅出産についての認識はまだまだ浅かったですね。自宅出産の記録映像を見せてもらって「これは良い経験かもしれんなぁ。」とちょっとワクワクしたりして。

そんな風にやや気楽に考えていた私の認識が変わったのは、自宅出産を決める前に、助産師の鴫原さんが、我が家まで来てくれて自宅出産の説明をしてくれた時でした。それは、夫の私も助産師の役割についてや、自宅出産のメリットとデメリットをちゃんと理解した上で、同意の意志を持っているのかを確かめる為の面談でもありました。

「助産師は医師では無いので、出来る処置には限界があるということを理解して下さい。それがいやなら病院での出産を勧めます。つまり、救えるかもしれない命が、救えないことがある、ということです。病院なら救うことができるかもしれない赤ちゃんが、自宅出産だと助からないこともある。病院までの搬送の間に死んでしまうこともある。もしそうなっても、それがその子の生命力、寿命だと割り来る事ができますか?あなたはそれを受け入れられますか?」と穏やかだけれども、しかしキッパリとした口調で言われ、ちょっと考え込んでしまいました。

妻はその辺りのことは既にちゃんと熟慮した上で自宅出産を希望していたようで、鴫原さんの説明を聞いた後も意志はゆるがなかったようです。私も、鴫原さんとの面談を経て「最終的に無事に産まれてくるかどうかは、お腹の中の子が決めることだ。」と割り切りというか、覚悟することができました。自宅で自然に産むことが、赤ちゃんにとってどれほど良い事なのかも理解できました。そして、助産師は赤ちゃんが無事に産まれてくるように、産前産後を通して全力で応援してくれる頼もしい存在だということも理解しました。

出産

いよいよ妻が産気づき、今日産まれるか!?という日。私は上の子の世話とお湯をわかすことくらいしかやることはありませんでした。

そして我が子が産まれてくる瞬間は・・・想像以上に感動的でした。

何か壮大な自然や風景に圧倒された時のような、荘厳な気持ち。“嬉しい”という言葉をいくつ並べても全く足りないほどの、底知れぬ歓喜。「よくがんばった!」生まれて来た子と無事に産んだ妻への心の底からの賞賛。

まぁ、元々涙腺は緩い方なのですが、気がつけば自然と涙がこみ上げていました。

産後の感想

自宅出産には他にもメリットが多かったです。特に、仕事中に「今、破水したらどうしよう?」などと気をもまなくて済むことは大きかったですね。自宅出産なら、電話すれば助産師がさんが来てくれるのです。両方の親とも遠方に住んでおり、近くにすぐ頼れる人がいない身としては、これほど有り難いことはなかったですね。

また、出産後もいちいち産院まで面会に行かなくてよいのも楽でした。上の子がお母さんとも赤ちゃんとずっと一緒にいられることも良かった。この他にも良い事は色々ありますが、その辺りは妻の「体験談」に詳しいので、そちらをどうぞ。自宅出産は母子だけでなく、“おとうさん”にとっても、とても貴重な体験だと思います。色々不安な面も確かにありますが、考えてみれば戦前までは自宅で産婆さんに赤ちゃんを取り上げてもらうのは、当たり前のことだったのですから。自宅出産のメリット、デメリットをちゃんと理解して、納得できれば、後はまさに“案ずるより産むが易し”です。