保育園ママ 保活体験談 番外編 家族会議

保活をスタートしたママ・パパ向けに、現役保育園ママスタッフの体験談をお伝えします。スタッフノリオから第2弾 のレポートです!(第一弾はこちら)

★スタッフ情報★
ノリオ
子ども→2歳・0歳
夫→会社員

はじめに

「子どもは2人で育てるもの」と考える私にとって、保活は夫婦で取り組むプロジェクトでした。が、仕事中の夫と育休中の私、立場が違うメンバーで望む保活プロジェクトはなかなかに難航。
どうやって夫を巻き込んだか?どうやって候補園を決めたか?など、我が家の試行錯誤をご紹介します。

最初にぶつかった壁は・・・

保活を始めて最初にぶつかった壁は、ズバリ、夫との温度差でした。見学の感想をあれこれ伝えても「ふーん」で終わる。保育園を選ぶにあたって何を優先するか相談しても「任せるよー」。本当に入れるのか…もし入れなかったらどうしよう…と不安を打ち明けても「なんとかなるでしょ!」と他人事。

ちなみに、夫は子育てにとても協力的(夫の名誉のためにここ強調しておきます)だし、我が家の夫婦仲はわりと良好。それでもことあるごとに感じる温度差に、「保活って2人でやるものなのに・・・」と私のモヤモヤは募る一方でした。

温度差の理由を考えてみた!

モヤモヤを打開すべく、まずは夫婦の温度差の理由を考えてみました!

1 圧倒的な情報量の差

夫は日中仕事をしているため、保活の情報収集をしようにも使える時間は限られています。一方、24時間育児中心にアンテナ張りまくりの私(育休中)は、区役所でもらった資料を読んだり、ネットで検索したり、保育園見学に行ったり、児童館で出会った先輩ママから情報を仕入れたり・・・夫婦の情報量は差がつく一方です。

でも、「保活は厳しい」という当たり前の現実も、最初は「厳しそう」という漠然としたイメージだったのが、色々な声やデータを見るにつれて「これはマズイ」という確信に変わっていったんだっけ、と改めて思い出しました。

2 送迎などに対する当事者意識の差

夫は、「保育園関係はまるっとママ担当」と思っているようでした。

いえいえ、パパが保育園に関わる場面はたくさんあります!送り迎え (朝は意外とパパも多いです)や呼び出し対応 (ママだけで対応してたら有給なくなります)、保護者会や運動会、日々の連絡帳記入や朝の準備・・・もちろんどの程度関わるかは各家庭で千差万別ですが、「保育園の窓口が当然にママというのは違う!」と私は思っています。

でも、そういえば仕事をしていた頃、他チームのプロジェクトだと思って資料を読んでいたときには何の疑問も持たなかったのに、「君にも入ってもらうから」と言われて慌てて読み直したら疑問や意見がザクザク出てきた・・・なんて出来事があったのを思い出し、どんなふうに自分に影響するかイメージできているかどうかの違いかも、と気付いたのでした。

3 ぶっちゃけ仕事で疲れてます

保育園選びについてなかなか建設的な話し合いができず、なんとか会話時間を確保しようと、夫が会社から帰ってくるのを待ち構えては一緒に夕飯を食べる日々。

しかしある日、「ちゃんと考えてくれてる?」と詰め寄る私に、夫は一言、「ぶっちゃけ平日は仕事で疲れてるんだよね….」。恥ずかしながら、イラっとして大喧嘩になってしまいました。。。

しかし後日、『女性が「1日に発する単語数」は男性の約3倍』という興味深い記事(※)を読んで考え方が一転。※石蔵文信さん著『なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略』で紹介されている、米メリーランド大学の研究結果。1日に発する単語数は男性平均7,000語に対して、女性平均20,000語という説。

そうか、夫の1日の単語キャパは7000語で、そのキャパはきっと日中(仕事で)消化しきっているんだ!だから平日の夜はキャパオーバー中なんだ!と妙に納得。

その上、私のキャパは20000語もあるのに日中は赤児と1対1で大した会話もない(つまりキャパは有り余っている)ので、夫婦の状態の差は歴然です。それは温度差出るよね、と腑に落ちたのでした。

やっぱり保活はママの仕事・・・??

 

こんなふうに、夫婦の温度差がなぜ出てしまうのか、落ち着いて考えてみたら「しょうがないかも・・・」と思えてきました。

それに、「保活は夫婦2人でするもの」とは言っても、全て一緒にやるのが非効率的なことは明らか。特に実務面は、平日の昼間に私が動いたほうが断然効率的です。何なら希望園を決めるのも、いちいち相談などせず、私の独断で決めてしまったほうがよっぽど早いです。

それじゃあ、保活はやっぱりママの仕事なのでしょうか?ママが一人でするほうが合理的??

私の答えは「NO」でした。

これから先育児と仕事を両立していくなら、夫婦の協力は不可欠です。保活はそのスタート地点として、「子どもにどんなふうに育ってほしいか」や「自分たちがどんなふうに働いていきたいか(ひいてはなぜ働くのか)」を考える大事なきっかけになると思います。

だから、やはり保活は夫婦2人でするもの。

でも、2人で同じ動きをする必要は全くなく、我々は”チーム我が家”として保活を乗り切れれば良いのだ!夫はメンバーの一員として活躍してくれれば良いのだ!と思うようになりました。

チーム我が家の3作戦!

そこで、夫を巻き込むべく、こんなことをしてみました。

1 保活セミナーに夫婦で出席

保活セミナーには、週末開催・夫婦での参加歓迎というものもあります。「メモも取りたいから、子守り要員として一緒に来て!終わったら外で何か食べて帰ろう」と誘いだしました。もちろん本当の目的は、保活の厳しい現状を知ってもらうこと。

そしてもう1つ、他のパパ参加者を見て、「夫婦で保活に取り組むのは特別なことじゃない」と思ってもらうことも目的でした。

セミナーは、保活のスケジュールなど基本情報が紹介された後、先輩ママが登壇し、
・13園書いたけど全て落ちて、2次募集でやっと保育ママに受かった
・家から自転車で20分以上かかる保育園で、雨雪の日はかなり大変
・今は小規模園に通っているが、3歳難民になりそうで不安
など、体験談が次々と話されました。

夫にとっては初めて聞いた”ママの生の声”。それまでも、似たような話を私の口から話していたのですが、やはり「妻が聞いてきた(どこの誰だか分からない)ママ友の話」より「目の前にいるこの人の話」は格段に響いたようで、想像以上に危機感を共有することができました。

2 働き方と送り迎えを具体的にイメージ

危機感が共有できたところで保育園選びに入りたいところですが、その前に、妻復帰後の働き方のイメージをすり合わせました。参考までに、我が家の会話の一部をご紹介します。

妻 「送りと迎えどっちも私だと、勤務時間が前にも後ろにも余裕がなくてやりづらいな。どちらか担当してほしいんだけど。」

夫 「でも職場の雰囲気的に、男性が毎日定時に帰るのは厳しいのは分かるよね。朝の送りならしてもいいけど、毎朝会議の準備もあるし、会社に◯時までには着けるならいいよ。」

妻 「迎えも週に1回くらい代わって欲しいんだけど・・・」

夫 「いや、迎えに行くのは全然いいんだけど、早く帰るのは無理だよね・・・あと、送り迎えするなら駅と逆方向とかは嫌だな。。」

夫は妻が困っているなら協力したいものの、やはり職場の目は気になる様子。そして例え良い園であっても、保育園のために遠回りをするのはナンセンスと感じるらしい。

そこで、夫に送迎を協力してもらいたい私は、「延長保育のある園に絞ること」「優先順位は近い順にすること」の2点を決意しました。

3 家族会議は短期決戦の仕事モード

夫を特に巻き込みたいのは、どの園を書くか決めるところ。なので、それ以外の部分は極力省エネで、夫婦双方の負担を減らすことにしました。

例えば、見学後は印象をひとことLINEで報告しますが、あくまでも報告なので、LINE上では問題提起も議論もしません。その分、どの園を書くか決める家族会議には力をかけました。

<我が家の家族会議>

・判断に必要そうな情報は可視化・一覧化 (時間のある私が担当)
・それを会議資料として事前連携しておく
・会議日時は事前に決める (我が家は週末の夕飯後に設定)
・1時間で決めよう!と宣言 (結局1時間では終わらず、もう2セットほど実施)

参考までに、我が家の会議資料はこんな感じです。
Googleスプレッドシートで作成し、家族会議の結果もその場で追記しました。

資料を準備し、会議招集をして、仕事モードで「○時までに結論を出そう!」と望んだのが功を奏したのか、夫も仕事モードで前向きに参戦してくれました。

もともと調べたり比較したりは得意な夫なので、話し合いは建設的にサクサク進み、期待していなかったところで意外な譲歩もあり、最後は「もうあとは運を天に任せるだけだね」とお互いやりきった気分で幕を閉じることができました。

まとめ

夫が保活に興味を持ってくれない・・・というのは、ママのあるあるお悩みだと思います。でも、「興味を持ってくれない」とイライラするだけでは何も解決しないし、「興味を持ってくれないから言わない」だと溝は広まる一方。

ここはママがひと肌脱いで(!?)、チーム家族の保活プロジェクトをなんとか推進させてみてはいかがでしょう。もちろん、この体験談はあくまでも我が家の例。夫の性格にあわせた作戦を練る必要があると思います。

「夫のためにそこまで・・・面倒くさいなぁ・・・」と思ったあなたは、ママ自身の仕事力アップの機会と思って頑張ってみてください!!

皆さんが有意義に保活に取り組めることを祈っています。